村上 陽一郎東京大学 名誉教授・国際基督教大学 名誉教授
参加者が、古今東西のテクスト群を共通に熟読した上で、その成果を、実際に個人が顔を合わせるセミナー上に対話として繰り広げる、というアスペンの形式は、かなり特異な体験を味わう機会となります。参加者と違って、司会役として回を重ねているはずのモデレーターとしても、毎回一回限りの極めて刺激的な経験になるのです。そのことは、企業からの後ろ盾で初めてセミナーに出られた方が、その後何回も、御自分の意志で、同じセミナーに参加される、という事例が数多いことでも確かめられると思います。
また、企業や組織に関わっておられる方々ばかりでなく、高等学校の生徒たちを対象に、同じ方式のセミナーが広がっていることも、セミナーの持つ力を裏書してくれています。
世界と日本、個人と社会、人間性の本質など、現代人が通り過ぎてしまえないテーマについて、叡智を集めたテクスト群と取り組むことは、セミナーの準備としてだけではなく、社会に出て、忘れかけていた「読む」という行為自体、あるいはそれに伴って生じる「語る」という行為自体の魅力を再現してくれます。それを充分過ぎるほど味わうことができるセミナーとして、参加して下さる方々をお待ちしています。